採用困難エリアとは?採用が難しい地域の特徴
- 求職者より求人の数が多い
- 採用ターゲットとなる人口が少ない
- 都市部への人口流出が起きている
求職者より求人の数が多い
採用困難エリアというと、人口の少ない地方をイメージするかもしれません。しかし、採用の難しさは人口の多さだけでは判断できません。働きたい人の数に対して求人が多い地域では、企業同士で限られた求職者を取り合う状態になり、人口規模がある地域でも採用競争が激しくなる可能性があります。
また、同じ地域でも職種によって採用難易度は異なります。例えば、事務職では応募が集まっていても、専門職や特定の勤務時間帯では応募が少ないこともあります。「この県だから採用が難しい」と大きなくくりで考えず、勤務地と職種を組み合わせて状況を確認することが大切です。
採用ターゲットとなる人口が少ない
地域全体の人口だけでなく、自社が採用したい人材がその地域にどの程度いるのかも確認する必要があります。例えば「20~30代の経験者」「フルタイム勤務ができる人」など採用条件を限定するほど、対象となる人数は少なくなります。
特に人口規模の小さい地域では、一つひとつの採用条件による影響が大きくなりがちです。応募が集まらない場合は、単純に広告や求人媒体を増やす前に、本当にすべての条件が必要なのかを見直してみましょう。
都市部への人口流出が起きている
進学や就職をきっかけに若い世代が都市部へ移動している地域では、企業が求める年代の人材そのものが少なくなっている場合があります。そのような地域では、地域内の求職者だけを対象に採用活動を続けても、母集団を大きく増やすことが難しい可能性があります。
地域内での採用が難しい場合には、近隣エリアまで採用対象を広げたり、Uターン・Iターンを検討している人に情報を届けたりすることも選択肢になります。まずは「どこに採用ターゲットがいるのか」という視点で採用エリアを捉え直すことが重要です。

採用困難エリアかどうかを見極めるポイント
- 地域の人口・労働力人口を確認する
- 有効求人倍率や求人状況を確認する
- 競合企業の求人条件を確認する
- 自社の採用データをエリア別に比較する
地域の人口・労働力人口を確認する
まず確認したいのが、採用する地域にどの程度の人がいるかです。ただし、自治体全体の人口だけを見るのではなく、年代別人口など、自社の採用ターゲットに近い層の規模まで確認すると状況を把握しやすくなります。
例えば人口が比較的多い地域でも、採用したい年代の割合が少なければ母集団形成に苦戦する可能性があります。反対に、人口規模が小さくても採用ターゲットと合う層が一定数存在していれば、訴求や採用チャネルの見直しによって改善できる余地があります。
有効求人倍率や求人状況を確認する
地域の採用環境を見る際には、求人と求職のバランスも重要です。公的に公開されている雇用関連のデータなどを参考にすると、その地域で企業側の採用ニーズがどの程度高いのかを確認できます。
ただし、地域全体の数字だけで判断するのは避けましょう。営業、事務、介護、ITなど、職種によって採用環境は大きく異なるためです。可能であれば、採用予定の勤務地だけでなく、職種や雇用形態に近い情報まで確認すると、実態に近い判断ができます。
競合企業の求人条件を確認する
同じ地域・同じ職種でどのような求人が掲載されているかも確認しましょう。給与だけでなく、勤務時間、休日、福利厚生、仕事内容、未経験可否、通勤条件などを比較すると、自社求人が選ばれにくい理由が見えてくることがあります。
例えば応募数が少ない原因を「地方だから」と考えていたものの、周辺企業と比較すると給与や休日条件に差があった、というケースも考えられます。地域そのものの問題と、自社求人の条件・見せ方の問題を切り分けることが大切です。
自社の採用データをエリア別に比較する
複数エリアで採用を行っている場合は、求人表示数やクリック数、応募数、採用数などを勤務地ごとに比較してみましょう。同じ求人内容でも地域によって結果が異なる場合は、その差に採用改善のヒントがあります。
特に確認したいのは、「見られていない」のか「見られているのに応募されていない」のかという違いです。求人表示やクリック自体が少なければ露出を増やす施策が必要ですが、クリックされても応募につながっていなければ、求人条件や仕事内容、応募フォームなどを見直す必要があります。
| 確認項目 | わかること | 主な確認方法 |
|---|---|---|
| 人口・年代構成 | 採用対象となる人材の規模 | 公的統計など |
| 求人・求職状況 | 地域の採用競争の強さ | 公的な雇用関連データなど |
| 競合求人 | 自社求人の条件面での競争力 | 求人媒体・求人検索サイト |
| 求人表示・クリック | 求人への接触状況 | 求人媒体・Web広告 |
| 応募・採用 | 採用活動のどこに課題があるか | 自社の採用データ |
同じエリアに競合求人が多い場合は、求人を掲載するだけでなく「選ばれるための設計」も重要です。求人が多い状況で応募を増やす考え方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。→求人が多い時期に差がつく|応募を増やす採用設計とは の記事も読んでみる。
採用困難エリアで応募が集まらない原因
- 求人の露出が足りていない
- 給与・勤務条件が地域のニーズと合っていない
- 勤務地へのアクセスに課題がある
- 採用ターゲットを限定しすぎている
求人の露出が足りていない
応募が集まらない原因の一つとして、そもそも求人が十分に見られていない可能性があります。採用ターゲットの人数が限られている地域では、一つの求人媒体だけに掲載していても、対象者との接点を十分に作れないことがあります。
求人媒体への掲載に加えて、検索広告やSNS広告、自社採用サイトなど複数のチャネルを使うことで、求人情報に触れてもらう機会を広げられます。ただし、媒体を増やせば必ず応募が増えるわけではありません。どの層に、どこで情報を届けるかを考えて選ぶことが重要です。
給与・勤務条件が地域のニーズと合っていない
求人が見られているのに応募が少ない場合は、条件面に原因がないか確認しましょう。給与はもちろん、勤務時間、休日、シフト、雇用形態、残業の有無なども応募するかどうかを判断する材料になります。
すべての条件を競合より良くする必要はありません。まずは周辺の求人と比較し、自社が「変更できる条件」と「変更が難しい条件」を整理しましょう。そのうえで、変更できない部分については、仕事内容や働き方、福利厚生など別の魅力をわかりやすく伝える方法もあります。
勤務地へのアクセスに課題がある
特に地方では、勤務先までの交通手段が応募のハードルになることがあります。最寄り駅から距離があったり、公共交通機関の本数が少なかったりすると、条件面に魅力があっても「通えない」と判断される可能性があります。
車通勤の可否や駐車場の有無、交通費の支給、最寄り駅からの移動方法など、実際の通勤をイメージできる情報を求人に記載しましょう。勤務地だけを掲載するのではなく、求職者が「自分にも通える」と判断できる情報を示すことが大切です。
採用ターゲットを限定しすぎている
「経験者のみ」「特定の資格が必須」「フルタイム勤務のみ」など、採用条件を細かく設定しすぎると、もともと少ない母集団をさらに狭めてしまいます。
応募が少ない場合は、条件を一つずつ確認し、「入社時点で必須なのか」「入社後の研修で身につけられないか」を検討してみましょう。仕事内容に応じて未経験者や主婦・主夫、学生、シニア層などにも対象を広げることで、新しい採用候補者と接点を持てる可能性があります。
採用困難エリアで人材を確保するための採用対策
- 求人条件とターゲットを見直す
- 地域に合わせて求人の訴求内容を変える
- 求人媒体以外の集客チャネルを増やす
- 採用エリアそのものを広げる
- 応募から採用までの離脱を減らす
求人条件とターゲットを見直す
採用困難エリアでは、最初に設定した募集条件をそのまま維持するのではなく、本当に必要な条件かを見直すことが重要です。経験年数や資格、勤務時間などを「必須条件」と「あると望ましい条件」に分けてみると、採用ターゲットを広げられる部分が見えてきます。
ただし、単純に採用基準を下げればよいわけではありません。入社後の研修や育成体制を整えたうえで未経験者まで対象を広げるなど、採用後に活躍できる仕組みとセットで検討しましょう。
地域に合わせて求人の訴求内容を変える
全国で同じ求人原稿を使用している場合は、地域ごとに訴求内容を変えることも検討しましょう。求職者が仕事を選ぶ際に重視するポイントは、エリアや生活環境によって異なる場合があります。
例えば「車通勤可」「転勤なし」「地元で長く働ける」「短時間勤務ができる」など、その地域の求職者にとってメリットとなる情報があれば、具体的に伝えます。企業が伝えたいことだけでなく、求職者が応募を判断するために知りたい情報が揃っているかを確認しましょう。
求人媒体以外の集客チャネルを増やす
求人媒体に掲載して待つだけでなく、Web広告やSNS、自社採用サイトなどを活用し、潜在的な求職者へ情報を届ける方法もあります。
例えばSNS広告では、現在積極的に求人を検索していない層にも情報を届けられる可能性があります。一方、検索広告では仕事探しに関連する情報を調べている人との接点を作れます。チャネルごとの特徴を理解し、「誰に求人を知ってもらいたいか」に合わせて使い分けましょう。
求人媒体だけで十分な応募を確保できない場合は、Web広告やSNS、自社サイトなどを組み合わせて求職者との接点を増やすことも大切です。求人広告だけに頼らない人材集客の考え方については、こちらの記事をご覧ください。→採用マーケティングの成功法則|求人広告だけに頼らない人材集客とは の記事も読んでみる
採用エリアそのものを広げる
勤務地周辺だけで十分な母集団を形成できない場合は、採用対象とする地域を広げることも検討しましょう。隣接する市区町村や、車・電車で通勤可能なエリアまで広げることで、採用候補者を増やせる可能性があります。
さらに地域外からの採用を検討する場合は、Uターン・Iターン希望者への情報発信も選択肢です。職種によってはリモート勤務や一部在宅勤務を取り入れることで、勤務地による制約そのものを小さくできる場合もあります。
応募から採用までの離脱を減らす
採用困難エリアでは、新しい応募を増やす施策だけでなく、すでに応募してくれた人を採用までつなげることも重要です。母集団が少ない状況では、一人の応募者が途中で離脱した場合の影響も大きくなります。
応募後の連絡が遅くなっていないか、面接までの日数が長すぎないか、選考回数が必要以上に多くないかなどを確認しましょう。オンライン面接を取り入れるなど、応募者の負担を減らすことも選考離脱を防ぐ方法の一つです。
求人を見てもらえているのに応募につながらない場合は、求人条件だけでなく、応募先となるページの情報や導線に課題がある可能性もあります。採用LPで応募につなげるポイントについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。→採用LPとは?応募が増える作り方と改善ポイントを解説 の記事も読んでみる
採用困難エリアでは「応募が少ない理由」を切り分けることが重要
- 数字を見て課題のある段階を特定する
- 課題に合わせて改善策を選ぶ
数字を見て課題のある段階を特定する
採用困難エリアで応募が少ない場合、応募数だけを見て「人がいない」「広告が足りない」と判断するのは避けましょう。求人の表示数やクリック数、応募数、面接数などを確認することで、採用活動のどこに課題があるのかを把握しやすくなります。
例えば、求人の表示回数が少ない場合は、求職者との接点そのものが不足している可能性があります。一方、求人は十分に見られているのに応募につながっていない場合は、求人条件や仕事内容の伝え方、応募導線などに改善の余地があると考えられます。

課題に合わせて改善策を選ぶ
採用活動のどの段階に課題があるかによって、優先して見直すべきポイントは異なります。エリアごとの採用状況を比較する際は、次のように整理すると判断しやすくなります。
| 状況 | 考えられる課題 | 主な改善策 |
|---|---|---|
| 求人の表示が少ない | 求人への接触不足 | 媒体追加・Web広告・SEOなど |
| 表示されるがクリックされない | 求人の魅力が伝わっていない | タイトル・条件・クリエイティブ改善 |
| クリックされるが応募されない | 条件・仕事内容・応募導線 | 求人内容・フォーム改善 |
| 応募後の離脱が多い | 選考フロー | 連絡速度・面接方法の改善 |
| 面接しても採用できない | ターゲット・採用基準 | 採用条件・選考基準の見直し |
採用が難しい地域ほど、応募数だけで判断するのではなく、どの段階に課題があるのかを確認することが重要です。原因を切り分けたうえで、必要な施策から優先して見直しましょう。
採用困難エリアについてよくある質問とまとめ
- 地方はすべて採用困難エリアなのでしょうか?
- 採用困難エリアでは求人広告費を増やすべきですか?
- 応募が少ない場合、まず何を見直せばよいですか?
地方はすべて採用困難エリアなのでしょうか?
いいえ。採用難易度は人口だけでなく、職種、求人件数、競合企業、採用条件などによって異なります。地域と職種を組み合わせて確認しましょう。
採用困難エリアでは求人広告費を増やすべきですか?
必ずしも広告費の増額が最優先とは限りません。求人の露出不足なのか、求人を見られても応募されていないのかを確認してから判断しましょう。
応募が少ない場合、まず何を見直せばよいですか?
求人の表示数・クリック数・応募数を確認し、どの段階で候補者が減っているのかを把握しましょう。課題を切り分けることで必要な対策を選びやすくなります。
採用困難エリアの特徴とは?応募が集まらない原因と企業ができる対策のまとめ
採用困難エリアでは、「地方だから応募が来ない」と一括りにするのではなく、人口や求職者数、求人状況、競合企業、自社の採用条件などを組み合わせて原因を確認することが重要です。
また、求人を見てもらえていないのか、見られているのに応募されていないのかによって、必要な施策は異なります。エリアごとの採用データを確認しながら、採用ターゲットや求人条件、訴求内容、集客チャネル、選考フローを見直し、自社の課題に合った採用施策につなげていきましょう。
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